ジョーカー

JOKER
[JOKER]は「バットマン」の悪役ジョーカーが主人公となっている映画である。繊細な心理描写と哀愁漂うニヒリスティックな世界観が多大な評価を受け、第76回ヴェネツィア国際映画祭では最高賞の「金獅子賞」を受賞。舞台は1981年のゴッサム・シティ。大都市でありながらも、財政の崩壊により街には失業者や犯罪者があふれかえる。そこでアーサーフレックスは派遣ピエロとして母親ペニーとつつましく生活していた。アーサーには緊張すると笑ってしまうという脳の障害を抱えておりましたが、いつか有名なコメディアンになると夢見て、道化師として人々を笑わせようと奮闘していた。さらに本作のジョーカーは、従来のような突き抜けたカリスマ性を持った悪のキャラクターとしてではなく、複雑な心理を持ち、善良な存在にもなり得る、一人の「人間」として描かれているのが特徴的である。謎めいたアーカム州立病院について、フィリップス監督はほとんど何も明かさない構えだが、ひとつだけ確かなことがあるという。それは、最後にジョークを思いついたアーサーの身体に現れる反応である。「あのシーンだけが、彼が唯一純粋に笑っている場面です。この映画には、いくつかの笑い方が登場します。アーサーの苦しみから生まれる笑い、彼が大勢の一員になろうとするときの偽物の笑い――これが僕のお気に入りなんです――、そして最後にアーカム州立病院の部屋で見せるのが、唯一、彼の心からの笑いなんですよ。」